投稿者「ひつじ」のアーカイブ

トラフィック  Traffic

トラフィック [DVD]
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東宝ビデオ (2001-12-21)
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メキシコからアメリカには膨大な量の麻薬が常にコンスタントに流れ込んでおり、アメリカ社会を根底まで蝕んでいる。本作は、この麻薬問題がもたらす底なしの絶望と、解決策を探るなかでの一縷の希望を描いたサスペンス・ヒューマン・ドラマ。

辣腕の裁判官、ウェイクフィールド(マイケル・ダグラス)は、その手腕を買われて、大統領から連邦政府の麻薬取締局の長官に指名される。現場を調べるうち、麻薬問題の解決には、アメリカ国内の需要を抑えるとともに、メキシコからの供給を抑える両面作戦を取る必要性を痛感する。しかし、家庭を省みず、仕事一筋に歩んできたウェイクフィールドは、自分の家庭がすでに崩壊しており、麻薬問題が他人事ではない事実に直面し…。

あのスティーブン・ソダーバーグの監督作品。メキシコとアメリカの両国の状況を交互に描きながらストーリーが進展していくが、メキシコの場面は黄色の色調で描き、アメリカの場面は青色の色調で描くなど、色調とトーンを使い分けて話を分かりやすくするとともに、メキシコの灼熱と、アメリカの冷淡さを微妙に伝える巧みな構成を取っている。

ベニチオ・デルトロがメキシコの麻薬取締官を好演。ほかにも、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、アルバート・フィニー、ドン・チードル、ジェームズ・ブローリン、エリカ・クリステンセンなど、超豪華なフルキャストの陣容。ストーリー、キャスト、スタッフ、すべてが絶品。見て損はありません。

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デュプリシティ  Duplictity

デュプリシティ [DVD]
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ジェネオン・ユニバーサル (2009-09-18)
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duplictyとは、二枚舌、人をだます不誠実な行為。この作品には、スパイ行為にまつわる様々な二枚舌があふれている。

クライブ・オーウェン演じるレイは、元MI6の産業スパイ。雇用主を騙して自分の利益の確保に奔走する。ジュリア・ロバーツ演じるクレアは、元CIAの産業スパイで、レイと同じ企業に雇われて、他の企業に派遣された二重スパイ。しかし、クレアも、レイと裏で組んで、自分の利益を追求している。そういう意味で、彼女は「三重スパイ」のような存在。

設定がこれだけ複雑な上に、さらに時間軸がガンガン前後するので、話の筋を追うのが結構大変。そして、ラストは全てをひっくり返す大ドンデン返し。一回見ただけでは、ストーリーを正確に把握することは難しいので、おのずと2,3回見ることになった。

産業スパイものだけに、人の生命は危険にさらされない。すべてがお金の問題。そういう意味で、国家間のスパイものよりもリアリティがある。また、サスペンスとラブコメの要素も多分にミックスされていて、エンターテイメントとして良くできている。

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カプリコン1  Capricorn One

カプリコン・1 [DVD]
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東北新社 (2005-06-24)
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一時期、アポロ11号による月着陸は、すべてハリウッドの巨大スタジオで撮影されたヤラセだったという主張が、「物証」とともに声高に語られたことがあった。NASAに当時の様子を録画したオリジナル・フィルムが残っていなかったことも、こうした主張に信憑性を増し加える一因となった。

本作は、人類の火星着陸という大事業を、米政府の一部がいろいろな大人の事情から、ヤラセででっち上げざるを得なくなった状況を描いた力作。家族に危害を加えると脅されながらヤラセを強要される3人の宇宙飛行士、ヤラセに気づいて消される末端のNASAエンジニア、宇宙開発の予算削減を食い止めるために、黙々とヤラセを遂行するNASAのエリート幹部、何も知らないホワイトハウス等々…、様々な視点から事態が克明に描かれていく。

3人の宇宙飛行士たちは、目に見えない巨大な力にどんどん追いつめられ、押しつぶされていく。そこで最後に取った行動は…。DVDのジャケットは安っぽいSF映画のイメージで困りますが、映画作品としては骨太の政治ドラマ。名作です

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ジャガーノート  JUGGERNAUT

ジャガーノート [DVD]
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20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン (2007-07-27)
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ジャガーノートというスペルを、動物のジャガー(jaguar)と、文房具のノート(note)の組み合わせで探しても辞書には出てこない。ジャガーノート(juggernaut)は、ヒンズー語から英語に入ってきた外来語。意味は、止めることのできない巨大な力、圧倒的破壊力といったところ。この映画作品では、大型客船に爆弾を仕掛け、政府を脅迫するテロリストのコードネームとして使われている。

古き良き70年代のパニック物。タワーリング・インフェルノの大型客船版といった感じもある。ワイルドギースなどで好演を見せたリチャード・ハリスが、英海軍の爆弾処理班のチーフを主演。アラビアのロレンスの族長アリを演じたオマー・シャリフが船長を演じている。70年代のハリウッド作品は、やはりクオリティが高いことを改めて再確認した次第。見て損はありません。

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マイアミ・バイス  Miami Vice

マイアミ・バイス シーズン 1 DVD-SET 【ユニバーサルTVシリーズ スペシャル・プライス】
ジェネオン・ユニバーサル (2009-11-26)
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マイアミ・バイスというと、最近の映画を思い浮かべる人も多いと思うが、本家は80年代のテレビ版。30-40歳代の人なら、日本で放映していたのを覚えている人もいるだろう。

テレビを新調したのがきっかけで、DVDセットを買ってしまった。とりあえずシーズン1から3まで。自分はちょうど18歳のころ見ていたのだが、当時のことも思い出し、なんか懐かしくなった。

当然、ファッションも音楽も、設定も全部、モロ80年代。刑事が切羽詰る中、必死に公衆電話で本部とやり取りしたり、デスクではタイプライターで報告書を打っていたりする。パソコンを使う人は、コンピューターを使える特殊技能を持った専門家のような感じで描かれている。

そんな80年代丸出しな感じなのだが、それでもこのテレビ版のマイアミバイスは、完成度が高く、優秀な作品だと改めて思った、一つは、マイケル・マン監督の細部へのこだわり。刑事モノによくある安易な設定がない。人物描写の彫りも深い。二つ目は、ファッションや音楽が凝っている。80年代ではあるが、当時としてはすごくカッコ良かった…。

三つ目の特徴は、ほとんどの場合、各話が「アンハッピー・エンド」で終わるということ。これは普通のテレビドラマでは異常なことなのではないかと思うが、ここに独特のリアリティが宿っている。せっかく逮捕した犯人が、裁判の妙な手続で釈放され、再犯を犯す。被害者や加害者が立ち直り、これから人生を再出発というときに、とんでもない不運に襲われる…等々。

だから、マイアミ・バイスを見ていると、ちょっと鬱的になってくる。でも、作品の完成度は高い。やはり今見ても、稀有なテレビ・ドラマだと思いました。

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