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マイ・ボディガード  Man on Fire

マイ・ボディガード(Blu-ray Disc)
松竹 (2012-12-21)
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<あらすじ>元CIAの特殊部隊員ジョン・クリーシー(デンゼル・ワシントン)。彼はこれまで、米軍の対テロ部隊に所属して16年に渡り暗殺の仕事を続けてきた。

そのためか心を閉ざし、生きる希望を見失っている。そんなクリーシーはある日、メキシコで護衛の仕事をしている部隊の先輩レイバーンから新しい仕事を請け負うことに。それは、誘拐事件が多発するメキシコ・シティに住む実業家の9歳になるいたいけな娘ピタ(ダコタ・ファニング)の“ボディガード”だった。さすがに始めはこの仕事に乗り気でなかったクリーシーも、ピタの無邪気な笑顔や素直なやさしさに触れるうちに心洗われていくのだが…。(allcinemaより)

なんとも言えない傑作。「なんとも言えない」と書いたのは、作品は最高に素晴らしいのだが、突っ込みどころが多すぎるから。

第一に、邦題、ダメすぎ。マイ・ボディガードとか、アホか。原題は、Man on Fire。炎の男とでも言うべきか。主役クリーシーを演じるデンゼル・ワシントンは、米特殊部隊上がりの中年男。いろんなトラウマに悩まされながら、黙々と任務をこなす。聖書を心の拠り所としながらも、心の重圧に苛まされ、ときには自殺を試みる。マイ・ボディガードといった軽い存在ではない。

第二に、準主役のダコタ・ファニング、可愛すぎ。本作を見ていると、本当に心が潰される瞬間が訪れる・・・。子役というのは、一般的に演技過剰なところがあり、それを承知でいろいろ賞賛されるが、ダコタ・ファニングは子役でありながら、演技の抑制が効いており、「アイ・アム・サム」とかでもそうだったが、見ていて掛け値なしで心を動かされる。子役というカテゴリーでくくれない本格派女優(もう18歳、まだまだ若いけど色香の漂う本当に立派な女優になった・・・、感慨・・・)。

第三は、監督のトニー・スコットが、もう二度と作品を作れないということ。心の中に鉛を流し込まれたような重圧感を感じる。本作では、かなり凝ったカメラワークが見れるが、それを批判する人もいる。しかし、これは監督の個性というものだろう。

主役クリーシーは、過去に苛まされながら、ジャック・ダニエルをあおり、ある晩、ピストルをこめかみに当てて、引き金を引く。しかし、なぜか銃弾は発射されなかった。彼は不発弾を、マッチの箱のなかにしまう。そして、新約聖書を改め読む。ラストシーンも、新約聖書をオマージュにしたものだ。さすが、デンゼル・ワシントンとトニー・スコットのタッグの作品に外れはない。

トラフィック  Traffic

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東宝ビデオ (2001-12-21)
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メキシコからアメリカには膨大な量の麻薬が常にコンスタントに流れ込んでおり、アメリカ社会を根底まで蝕んでいる。本作は、この麻薬問題がもたらす底なしの絶望と、解決策を探るなかでの一縷の希望を描いたサスペンス・ヒューマン・ドラマ。

辣腕の裁判官、ウェイクフィールド(マイケル・ダグラス)は、その手腕を買われて、大統領から連邦政府の麻薬取締局の長官に指名される。現場を調べるうち、麻薬問題の解決には、アメリカ国内の需要を抑えるとともに、メキシコからの供給を抑える両面作戦を取る必要性を痛感する。しかし、家庭を省みず、仕事一筋に歩んできたウェイクフィールドは、自分の家庭がすでに崩壊しており、麻薬問題が他人事ではない事実に直面し…。

あのスティーブン・ソダーバーグの監督作品。メキシコとアメリカの両国の状況を交互に描きながらストーリーが進展していくが、メキシコの場面は黄色の色調で描き、アメリカの場面は青色の色調で描くなど、色調とトーンを使い分けて話を分かりやすくするとともに、メキシコの灼熱と、アメリカの冷淡さを微妙に伝える巧みな構成を取っている。

ベニチオ・デルトロがメキシコの麻薬取締官を好演。ほかにも、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、アルバート・フィニー、ドン・チードル、ジェームズ・ブローリン、エリカ・クリステンセンなど、超豪華なフルキャストの陣容。ストーリー、キャスト、スタッフ、すべてが絶品。見て損はありません。

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