月別アーカイブ: 2010年7月

デュプリシティ  Duplictity

デュプリシティ [DVD]
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ジェネオン・ユニバーサル (2009-09-18)
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duplictyとは、二枚舌、人をだます不誠実な行為。この作品には、スパイ行為にまつわる様々な二枚舌があふれている。

クライブ・オーウェン演じるレイは、元MI6の産業スパイ。雇用主を騙して自分の利益の確保に奔走する。ジュリア・ロバーツ演じるクレアは、元CIAの産業スパイで、レイと同じ企業に雇われて、他の企業に派遣された二重スパイ。しかし、クレアも、レイと裏で組んで、自分の利益を追求している。そういう意味で、彼女は「三重スパイ」のような存在。

設定がこれだけ複雑な上に、さらに時間軸がガンガン前後するので、話の筋を追うのが結構大変。そして、ラストは全てをひっくり返す大ドンデン返し。一回見ただけでは、ストーリーを正確に把握することは難しいので、おのずと2,3回見ることになった。

産業スパイものだけに、人の生命は危険にさらされない。すべてがお金の問題。そういう意味で、国家間のスパイものよりもリアリティがある。また、サスペンスとラブコメの要素も多分にミックスされていて、エンターテイメントとして良くできている。

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カプリコン1  Capricorn One

カプリコン・1 [DVD]
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東北新社 (2005-06-24)
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一時期、アポロ11号による月着陸は、すべてハリウッドの巨大スタジオで撮影されたヤラセだったという主張が、「物証」とともに声高に語られたことがあった。NASAに当時の様子を録画したオリジナル・フィルムが残っていなかったことも、こうした主張に信憑性を増し加える一因となった。

本作は、人類の火星着陸という大事業を、米政府の一部がいろいろな大人の事情から、ヤラセででっち上げざるを得なくなった状況を描いた力作。家族に危害を加えると脅されながらヤラセを強要される3人の宇宙飛行士、ヤラセに気づいて消される末端のNASAエンジニア、宇宙開発の予算削減を食い止めるために、黙々とヤラセを遂行するNASAのエリート幹部、何も知らないホワイトハウス等々…、様々な視点から事態が克明に描かれていく。

3人の宇宙飛行士たちは、目に見えない巨大な力にどんどん追いつめられ、押しつぶされていく。そこで最後に取った行動は…。DVDのジャケットは安っぽいSF映画のイメージで困りますが、映画作品としては骨太の政治ドラマ。名作です

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