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duplictyとは、二枚舌、人をだます不誠実な行為。この作品には、スパイ行為にまつわる様々な二枚舌があふれている。
クライブ・オーウェン演じるレイは、元MI6の産業スパイ。雇用主を騙して自分の利益の確保に奔走する。ジュリア・ロバーツ演じるクレアは、元CIAの産業スパイで、レイと同じ企業に雇われて、他の企業に派遣された二重スパイ。しかし、クレアも、レイと裏で組んで、自分の利益を追求している。そういう意味で、彼女は「三重スパイ」のような存在。
設定がこれだけ複雑な上に、さらに時間軸がガンガン前後するので、話の筋を追うのが結構大変。そして、ラストは全てをひっくり返す大ドンデン返し。一回見ただけでは、ストーリーを正確に把握することは難しいので、おのずと2,3回見ることになった。
産業スパイものだけに、人の生命は危険にさらされない。すべてがお金の問題。そういう意味で、国家間のスパイものよりもリアリティがある。また、サスペンスとラブコメの要素も多分にミックスされていて、エンターテイメントとして良くできている。