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最近、イラク戦争やアフガン戦争を描いた作品が続々と出てきている。これまで戦争映画というと、第二次世界大戦、ベトナム戦争を描いたものが圧倒的に多く、戦争と言えば、大規模な陸海戦、ジメジメしたジャングルの戦いというイメージが強かった。
しかし、こういう最近の戦争を描いた作品を見ると、現代の戦争は基本的に市街戦で、ハンビーのような装甲車で、路地の中を走り回って戦うものだということがよくわかる。そういう意味で、こういう映画を観ると戦争のイメージが変わる。
本作は、イラクで活動する爆弾処理班の活動を描いた作品。イラクやアフガニスタンでは、銃撃戦などよりも、遠隔操作による路肩爆弾(IED)による死傷者が圧倒的に多いという。そういう意味でも、この作品を見ると、現在進行中の戦争がどういうものかよく分かる。
監督は、本作でアカデミー賞をとったキャサリン・ビグロー。女性が監督したという女性特有の視線は感じられない。むしろ、一つの戦争映画として、ドライで硬質な感性を感じさせる秀作となった。