戦争」タグアーカイブ

レバノン  Lebanon

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中東の小国レバノンでは、これまで幾度も戦争が繰り返されてきた。本作は、そのうちの1982年にレバノンにイスラエルが侵攻したときの戦争を扱った作品。イスラエルは、それまで何度も国内テロに脅かされてきたが、その主犯のパレスチナ人のグループが隣国のレバノン国内に潜伏していることを突き止め、容赦のない対テロ作戦をレバノンで展開した。

戦争映画のカナメは、そのリアリティにあると思うが、本作は監督自身がこの侵攻作戦に軍人として参加したことから、そもそもケチの付けようがない。一つの街を空爆で潰し、そのあとで戦車部隊が入り、残党を殲滅する凄惨な光景は、本当にこういうことがあったのだということを、観る者に納得させる力がある。

本作の特徴は、すべての映像がイスラエル軍の戦車の内部と、戦車のスコープから見た外界の様子だけに限られている点。それだけに、全編を通じて重苦しい空気が充満しているのだが、かえってそのことで観ている者も、あたかも中東の凄惨な戦場の中に閉じ込められているような気分になる。

情け容赦のない冷徹な部隊長、リーダーシップの欠けた戦車の司令官、生意気な砲弾係、葛藤に苦しむ繊細な射撃係など、登場人物の心理描写が細やかで丁寧なところも、作品としての厚みを加えることに貢献している。戦争は地獄だということが、言葉を超えて実感できる一作。

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グリーン・ゾーン  Green Zone

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「グリーン・ゾーン」とは、イラクの首都バグダッド中心部にある米軍本部とイラク政府の中枢が集まる安全地帯のこと。本作は、グリーンゾーンの中で渦巻く政治と、最前線で大量破壊兵器の捜索に当たる米軍将校(マット・デイモン)の対決を描くポリティカル・サスペンス。

イラク戦争の大義は、フセイン政権による大量破壊兵器(実質的に核兵器)の開発を止めさせるという点にあった。しかし、探せど探せど、そんな形跡は見当たらない。今でこそ、ブッシュ政権は、目障りなフセイン政権を除去する目的で、大量破壊兵器という介入の言い訳を、半ばでっちあげて開戦に踏み切ったことは周知の事実だが、誰も当時はそんなことは知らなかった。

本作では、通常の軍の指揮系統の中に、CIAや国防総省の幹部が良くも悪くも深く介入してきて、戦争政策を様々に軌道修正、もしくはねじ曲げていく様子が描かれている。そんな様子は、報道で漏れ伝わってくるイラク戦争の実態と妙に一致していてリアリティを感じさせる。

本作は、銃をドンパチ撃ち合うアクションというよりも、戦争の方針を巡り、激しい綱引きを繰り広げる軍やCIA、国防省幹部の心理戦を描くサスペンス。だからこそ、見ごたえのある作品に仕上がっている。

ハート・ロッカー  HURT LOCKER

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最近、イラク戦争やアフガン戦争を描いた作品が続々と出てきている。これまで戦争映画というと、第二次世界大戦、ベトナム戦争を描いたものが圧倒的に多く、戦争と言えば、大規模な陸海戦、ジメジメしたジャングルの戦いというイメージが強かった。

しかし、こういう最近の戦争を描いた作品を見ると、現代の戦争は基本的に市街戦で、ハンビーのような装甲車で、路地の中を走り回って戦うものだということがよくわかる。そういう意味で、こういう映画を観ると戦争のイメージが変わる。

本作は、イラクで活動する爆弾処理班の活動を描いた作品。イラクやアフガニスタンでは、銃撃戦などよりも、遠隔操作による路肩爆弾(IED)による死傷者が圧倒的に多いという。そういう意味でも、この作品を見ると、現在進行中の戦争がどういうものかよく分かる。

監督は、本作でアカデミー賞をとったキャサリン・ビグロー。女性が監督したという女性特有の視線は感じられない。むしろ、一つの戦争映画として、ドライで硬質な感性を感じさせる秀作となった。

イングロリアス・バスターズ  Inglourious Basters

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第二次世界大戦時のドイツ占領下のフランス、イングロリアス・バスターズというレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる米軍特殊部隊が、ドイツ将校を次々と抹殺していた。そこへナチス親衛隊SSのランダ親衛隊大佐が現れ…。

本作で光っているのは、やはりランダ親衛隊大佐を演じるクリストフ・ヴァルツ。数カ国を操りながら、その語学力でもって、巧みに尋問相手の嘘を暴いて追い詰める。

ヴァルツは、アカデミー賞を受賞したほか、カンヌ、ゴールデングローブも総なめにした。アカデミー賞の授賞式では、タランティーノにしきりに感謝していた。

しかし、タランティーノというのは、バイオレンス・シーンを撮らせたらピカイチというのが、本作を見てもわかる。バイオレンス自体は、痛そうだし、苦手だが、その描き方がスーパードライで秀逸。

遠すぎた橋  A Bridge Too Far

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第二次世界大戦末期、ドイツ侵攻を進める連合軍によって挙行された「マーケット・ガーデン作戦」を描いた作品。ノルマンディ上陸作戦から3ヶ月後、連合軍はオランダからドイツへ進軍するため、両国の国境間にかかった5つの橋を占領する必要があった。最初は順調に進む作戦だったが、予想外の事態が起き…。

本作を初めて観たのは、なんと劇場公開当時(1977年)。自分が小学5年生くらいだったと記憶している。今から考えると、制作側が破産するほどの超オールスターキャスト。ロバート・レッドフォード、ジーン・ハックマン、ショーン・コネリー、ライアン・オニール、マイケル・ケイン、アンソニー・ホプキンス…。こんな人達が、1つの映画に出演しているというのは、今の若い人からすれば考えられないことかもしれない。

ドイツ軍の現地司令官を、マクシミリアン・シェルを渋く演じている。また、ドイツ軍がドイツ語をしゃべっているだけでも、ハリウッド作品としてはかなり頑張った。そんなリアリティを追求する努力に好感が持てる良作。

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