ギャング」タグアーカイブ

マイ・ボディガード  Man on Fire

マイ・ボディガード(Blu-ray Disc)
松竹 (2012-12-21)
売り上げランキング: 5,960


<あらすじ>元CIAの特殊部隊員ジョン・クリーシー(デンゼル・ワシントン)。彼はこれまで、米軍の対テロ部隊に所属して16年に渡り暗殺の仕事を続けてきた。

そのためか心を閉ざし、生きる希望を見失っている。そんなクリーシーはある日、メキシコで護衛の仕事をしている部隊の先輩レイバーンから新しい仕事を請け負うことに。それは、誘拐事件が多発するメキシコ・シティに住む実業家の9歳になるいたいけな娘ピタ(ダコタ・ファニング)の“ボディガード”だった。さすがに始めはこの仕事に乗り気でなかったクリーシーも、ピタの無邪気な笑顔や素直なやさしさに触れるうちに心洗われていくのだが…。(allcinemaより)

なんとも言えない傑作。「なんとも言えない」と書いたのは、作品は最高に素晴らしいのだが、突っ込みどころが多すぎるから。

第一に、邦題、ダメすぎ。マイ・ボディガードとか、アホか。原題は、Man on Fire。炎の男とでも言うべきか。主役クリーシーを演じるデンゼル・ワシントンは、米特殊部隊上がりの中年男。いろんなトラウマに悩まされながら、黙々と任務をこなす。聖書を心の拠り所としながらも、心の重圧に苛まされ、ときには自殺を試みる。マイ・ボディガードといった軽い存在ではない。

第二に、準主役のダコタ・ファニング、可愛すぎ。本作を見ていると、本当に心が潰される瞬間が訪れる・・・。子役というのは、一般的に演技過剰なところがあり、それを承知でいろいろ賞賛されるが、ダコタ・ファニングは子役でありながら、演技の抑制が効いており、「アイ・アム・サム」とかでもそうだったが、見ていて掛け値なしで心を動かされる。子役というカテゴリーでくくれない本格派女優(もう18歳、まだまだ若いけど色香の漂う本当に立派な女優になった・・・、感慨・・・)。

第三は、監督のトニー・スコットが、もう二度と作品を作れないということ。心の中に鉛を流し込まれたような重圧感を感じる。本作では、かなり凝ったカメラワークが見れるが、それを批判する人もいる。しかし、これは監督の個性というものだろう。

主役クリーシーは、過去に苛まされながら、ジャック・ダニエルをあおり、ある晩、ピストルをこめかみに当てて、引き金を引く。しかし、なぜか銃弾は発射されなかった。彼は不発弾を、マッチの箱のなかにしまう。そして、新約聖書を改め読む。ラストシーンも、新約聖書をオマージュにしたものだ。さすが、デンゼル・ワシントンとトニー・スコットのタッグの作品に外れはない。

インファナル・アフェア  Infernal Affairs  無間道

インファナル・アフェア [DVD]
ポニーキャニオン (2004-02-18)
売り上げランキング: 15182


本作は、2006年のハリウッド映画『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ監督)のオリジナルとなった香港の作品。ディパーテッドを先に見てから、このインファナル・アフェアを見たら、ディパーテッドの切れ味のよいシーンのほとんどが、インファナル・アフェアのシーンを元にしていたことが分かり、ちょっとショック。多くの人が認める通り、それだけ本作が傑作だということになる。

潜入捜査官として香港マフィアに入り込むヤン(トニー・レオン)と、香港マフィアから警察組織に潜入するラウ(アンディ・ラウ)の対立と相克を描いているが、ディパーテッドよりも二人の苦悩がリアルに伝わってくる。医師を演じるケリー・チャンなど、女性との人間関係がディパーテッドとちょっと違うが、本作が作った骨格がそのままディパーテッドの良さに通じている点も改めて驚き。

人気ブログランキングへ

96時間  Taken

96時間 [DVD]
96時間 [DVD]

posted with amazlet at 13.11.03
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2012-12-19)
売り上げランキング: 1,905


元CIA諜報員のブライアン(リーアム・ニーソン)は、離婚後、大金持ちと結婚した妻に親権を取られ、17歳の娘とも自由に会えない悶々とした日々を過ごしていた。そんなある日、娘が女友達とパリに旅行にいくと言い出す。

職業柄、イヤな予感がしたために娘を止めようとするが、妻にたしなめられ、娘の強い希望もあり、パリ行きをしぶしぶ認める。しかし予感は的中し、娘と友人は、パリを根城にする人身売買に手を染める東欧マフィアに拉致されて・・・。

元諜報員のブライアンは、その専門技能を活かし、これでもかとばかり、東欧マフィアの面々をボコボコにして、娘のもとへ一歩一歩と近づいていく。この徹底したボコボコぶりが、世の中の不条理に耐えて生きる普通の大人たちに、何とも言えないカタルシスをもたらすかも。

主演のリーアム・ニーソンがいい味を出している。脚本はリュック・ベッソン。どうりで、ストーリー展開にスピード感があると思いました。

イングロリアス・バスターズ  Inglourious Basters

イングロリアス・バスターズ [DVD]
ジェネオン・ユニバーサル (2012-04-13)
売り上げランキング: 5,416


第二次世界大戦時のドイツ占領下のフランス、イングロリアス・バスターズというレイン中尉(ブラッド・ピット)率いる米軍特殊部隊が、ドイツ将校を次々と抹殺していた。そこへナチス親衛隊SSのランダ親衛隊大佐が現れ…。

本作で光っているのは、やはりランダ親衛隊大佐を演じるクリストフ・ヴァルツ。数カ国を操りながら、その語学力でもって、巧みに尋問相手の嘘を暴いて追い詰める。

ヴァルツは、アカデミー賞を受賞したほか、カンヌ、ゴールデングローブも総なめにした。アカデミー賞の授賞式では、タランティーノにしきりに感謝していた。

しかし、タランティーノというのは、バイオレンス・シーンを撮らせたらピカイチというのが、本作を見てもわかる。バイオレンス自体は、痛そうだし、苦手だが、その描き方がスーパードライで秀逸。

マイアミ・バイス  Miami Vice

マイアミ・バイス シーズン 1 DVD-SET 【ユニバーサルTVシリーズ スペシャル・プライス】
ジェネオン・ユニバーサル (2009-11-26)
売り上げランキング: 3179


マイアミ・バイスというと、最近の映画を思い浮かべる人も多いと思うが、本家は80年代のテレビ版。30-40歳代の人なら、日本で放映していたのを覚えている人もいるだろう。

テレビを新調したのがきっかけで、DVDセットを買ってしまった。とりあえずシーズン1から3まで。自分はちょうど18歳のころ見ていたのだが、当時のことも思い出し、なんか懐かしくなった。

当然、ファッションも音楽も、設定も全部、モロ80年代。刑事が切羽詰る中、必死に公衆電話で本部とやり取りしたり、デスクではタイプライターで報告書を打っていたりする。パソコンを使う人は、コンピューターを使える特殊技能を持った専門家のような感じで描かれている。

そんな80年代丸出しな感じなのだが、それでもこのテレビ版のマイアミバイスは、完成度が高く、優秀な作品だと改めて思った、一つは、マイケル・マン監督の細部へのこだわり。刑事モノによくある安易な設定がない。人物描写の彫りも深い。二つ目は、ファッションや音楽が凝っている。80年代ではあるが、当時としてはすごくカッコ良かった…。

三つ目の特徴は、ほとんどの場合、各話が「アンハッピー・エンド」で終わるということ。これは普通のテレビドラマでは異常なことなのではないかと思うが、ここに独特のリアリティが宿っている。せっかく逮捕した犯人が、裁判の妙な手続で釈放され、再犯を犯す。被害者や加害者が立ち直り、これから人生を再出発というときに、とんでもない不運に襲われる…等々。

だから、マイアミ・バイスを見ていると、ちょっと鬱的になってくる。でも、作品の完成度は高い。やはり今見ても、稀有なテレビ・ドラマだと思いました。

人気ブログランキングへ