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遠すぎた橋  A Bridge Too Far

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第二次世界大戦末期、ドイツ侵攻を進める連合軍によって挙行された「マーケット・ガーデン作戦」を描いた作品。ノルマンディ上陸作戦から3ヶ月後、連合軍はオランダからドイツへ進軍するため、両国の国境間にかかった5つの橋を占領する必要があった。最初は順調に進む作戦だったが、予想外の事態が起き…。

本作を初めて観たのは、なんと劇場公開当時(1977年)。自分が小学5年生くらいだったと記憶している。今から考えると、制作側が破産するほどの超オールスターキャスト。ロバート・レッドフォード、ジーン・ハックマン、ショーン・コネリー、ライアン・オニール、マイケル・ケイン、アンソニー・ホプキンス…。こんな人達が、1つの映画に出演しているというのは、今の若い人からすれば考えられないことかもしれない。

ドイツ軍の現地司令官を、マクシミリアン・シェルを渋く演じている。また、ドイツ軍がドイツ語をしゃべっているだけでも、ハリウッド作品としてはかなり頑張った。そんなリアリティを追求する努力に好感が持てる良作。

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バルジ大作戦  Battle of the Bulge

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「遠すぎた橋」で描かれた連合軍によるマーケット・ガーデン作戦の失敗を受けて、ヒトラーは体制を立て直し、連合軍に奇襲を仕掛けた。

本作は、この「バルジの戦い」を題材にした作品。バルジ(bulge)は、「出っ張り」を表す英語で、ドイツ軍の奇襲で戦線が出っ張ったため、こう名付けられた。実際の戦闘の場所は、現在のベルギー。

昔のハリウッド作品だから、米独を勧善懲悪に描いているかといえば、そうでもない。このへんは、公開当時、かえって顰蹙を買ったかもしれない。

というのも、基本的に主役は米軍の情報将校(ヘンリー・フォンダ)なのだが、ドイツの戦車隊長(ロバート・ショウ)が完全に主役を食っている。頭が切れ、威厳があり、冷酷な職業軍人を演じきっている。彼はジョーズでの助演が有名だが、ここでの存在感も傑出している。

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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 Sophie Scholl – The Final Days

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第二次大戦下のドイツでは、ユダヤ人は次々と姿を消し、一般ドイツ人はどんどん言論の自由を奪われていった。そんな中、ミュンヘン大学の学生、ゾフィー・ショルは、兄や友人たちと共に、反ナチス運動「白バラ」の活動に身を投じる。しかし、ナチス批判のビラまきを大学構内で密かに行っていたところをゲシュタポ(秘密警察)に見つかり、逮捕されてしまう。

圧巻なのは、裁判の場面。ナチスの御用裁判官、ローラント・フライスラーの猛り狂ったような弁舌。ゾフィーは、それに一切臆することなく、ナチスの悪行と、裁判のインチキぶりを論破していく。そして、最後はあまりにむごい結末。しかし、これが実際に起きたことだった…。

観ていると、自分がゲシュタポに捕まり、取り調べを受け、不条理な裁判を受け、巨大な圧力に押しつぶされていくような錯覚を覚える。それは、もともとこの話が実話であることもあるが、リアリティあふれる演出手法によるところも大きい。

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カティンの森  KATYN

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1939年、ドイツ軍がポーランドへ西側から侵攻して第二次世界大戦が始まり、その後、ソ連がポーランドへ東側から侵攻した。混乱の中にポーランドが突き落とされる中、ソ連軍は多数のポーランド軍・警察関係者を捕虜に取り、ソ連領内の森の中へ連行、1940年の春頃までに約4400名のポーランド人捕虜らを秘密裏に殺戮した。

本作は、この「カティンの森虐殺事件」を描いた作品。監督は、「灰とダイヤモンド」など秀作を多数輩出してきたアンジェイ・ワイダ。

ソ連軍は、巨大な力で無慈悲に小国ポーランドを蹂躙し、無言のまま飲み込んでいく。捕虜となったポーランド人将校は自分の宿命を悟りながら連行され、祈りの中で命を絶たれていく。一方、夫や父を奪われたポーランド人家族は、言いようのない不安、恐怖、無力感のなかで、行方不明となった家族に思いを巡らす。

カティンの森事件が有名になったのは、ソ連が事実を隠蔽し、1943年に虐殺が発覚した後も、一貫して事件がナチスドイツの犯行と主張してきた特異な経緯にある。とくに戦後は、ドイツの凄まじい残虐行為が明るみに出てたことと、ソ連が大国化して冷戦構造が形成されたため、心理的にも政治的にも、真相究明への関心が薄れて行った。

近年、ロシアは事実を認め、昨年プーチン大統領は、ポーランドと共に事件現場で合同追悼式を執り行うことを呼びかけ、両国は合意した。しかし、追悼式典に向かう中、ポーランド大統領ら多数要人を乗せた旅客機が、かつての事件現場近くに墜落、全員が死亡したことは記憶に新しい。

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戦場のピアニスト   The Pianist

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ナチスのホロコーストを、ユダヤ人の視点から描いた作品は数多くあるが、この作品は実話をベースにしている点、さらに主人公が音楽家だという点が個性的である。主人公シュピルマンの弾くショパンの旋律が、観終わった後も耳に残る。

最も印象的なのは、やはり最後の方でシュピルマンがドイツ軍将校に見つかり、その場でピアノを弾かされるシーン。将校は黙って静かに演奏を聴くが、その無言の心象表現が抜群に巧い。別れ際のシュピルマンとの会話も印象的だ。

映画は、ドイツ軍、というか、親衛隊の残酷さを鋭く描いている。同時に、ドイツ軍将校がシュピルマンの命を救ったという点も丁寧に描いている。この点は、たぶん原作も同じスタンスなのだろうと思うが、ナチス・ドイツ=悪党、というステレオ・タイプを克服している。

監督のロマン・ポランスキーは、ユダヤ系ポーランド人で、ゲットー暮らしの体験があり、さらに母親をアウシュビッツで亡くしている。そういう意味で、ポランスキーがナチス・ドイツというものを冷静に描いた点は、特に評価されて良いと思う。

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