ナチス」タグアーカイブ

マラソン・マン  Marathon Man

マラソン マン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2010-10-08)
売り上げランキング: 12524


ニューヨークのセントラルパークの周りを毎日マラソンしている大学院生ベイブ(ダスティン・ホフマン)。そこに、ナチス残党のゼル(ローレンス・オリビエ)の魔の手が迫る。

ベイブとゼルの間には、一見なんの接点もないのだが、ベイブの兄ドク(ロイ・シャイダー)がある闇の仕事に関与していたため、ゼルに執拗に追われることになり、ついに…。

有名な歯医者のシーンが、とにかく怖い(痛い)。”Is it safe?”と、繰り返し聞きながら、ゼルはベイブの歯に歯科用電動ドリルを突き立てる。映画史上に残る怖い、痛いシーンだと思う。

ホラー的な見た目の怖さではなく、心理的な恐怖を煽る正統派で王道のサスペンス。ロイ・シャイダー、ウィリアム・ディベイン、マルト・ケラーといった名優が脇を固める味わい深い秀作。

白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 Sophie Scholl – The Final Days

白バラの祈り -ゾフィー・ショル、最期の日々- [DVD]
TCエンタテインメント (2006-09-22)
売り上げランキング: 37981


第二次大戦下のドイツでは、ユダヤ人は次々と姿を消し、一般ドイツ人はどんどん言論の自由を奪われていった。そんな中、ミュンヘン大学の学生、ゾフィー・ショルは、兄や友人たちと共に、反ナチス運動「白バラ」の活動に身を投じる。しかし、ナチス批判のビラまきを大学構内で密かに行っていたところをゲシュタポ(秘密警察)に見つかり、逮捕されてしまう。

圧巻なのは、裁判の場面。ナチスの御用裁判官、ローラント・フライスラーの猛り狂ったような弁舌。ゾフィーは、それに一切臆することなく、ナチスの悪行と、裁判のインチキぶりを論破していく。そして、最後はあまりにむごい結末。しかし、これが実際に起きたことだった…。

観ていると、自分がゲシュタポに捕まり、取り調べを受け、不条理な裁判を受け、巨大な圧力に押しつぶされていくような錯覚を覚える。それは、もともとこの話が実話であることもあるが、リアリティあふれる演出手法によるところも大きい。

人気ブログランキングへ

インサイド・マン  Inside Man

インサイド・マン [DVD]
インサイド・マン [DVD]

posted with amazlet at 13.11.03
ジェネオン・ユニバーサル (2012-04-13)
売り上げランキング: 11,280


白昼、ニューヨークのど真ん中で銀行強盗が発生。犯人グループは、多数の人質を取って、バスやジェット機を要求する。警察は人質の解放と投降を訴えるが、犯人グループは言うことを一切聞かない。しばらくして、事件は意外な展開で一気に解決。しかし、なぜかそこから銀行側の悪夢が始まった・・・。

監督はスパイク・リー、キャストにはデンゼル・ワシントン、ジョディ・フォスター、ウイリアム・デフォー、クライブ・オーウェン、クリストファー・プラマーという豪華な布陣をしいているが、良い意味で濃厚な感じがしないのは、スパイクリーの手腕か。軽快に、アッサリと仕上がっている。

ラストはちょっと分かりにくいが、この映画を銀行強盗事件ではなく、ユダヤ人のナチス関係者に対する復讐劇としてみると、筋書きがクリアに見えてくるかもしれない。つまり、銀行強盗版「ミュンヘン」ということか・・・。

人気ブログランキングへ

ワルキューレ  Valkyrie

ワルキューレ プレミアム・エディション [DVD]
ポニーキャニオン (2009-07-24)
売り上げランキング: 5345


一般のイメージと違って、ナチス政権下のドイツ軍は決して一枚岩ではなかった。ヒトラーに絶対忠誠を誓う親衛隊(SS)のような組織もあれば、連邦軍の中には、ヒトラー個人というより、ドイツという国家に忠誠を誓うまともな軍人も大勢いた。それだけにヒトラーの暴走を止めるため、少なくとも43回の暗殺未遂事件が起きたという。この「ワルキューレ作戦」の決行は、その中で最もインパクトのあった事件だったようだ。

もともとワルキューレ作戦というのは、非常事態時に予備役部隊に総動員をかけるための作戦だった。そして、これを当時のドイツ軍・予備役部隊の運用責任者だったクラウス・フォン・シュタンフェンベルグ大佐が、ヒトラーの暗殺とナチス政権の転覆のために利用した。計画は、ヒトラーの暗殺失敗という最初の段階からつまづき、クーデターも途中で頓挫、結果的にシュタンフェンベルグ大佐ほか、多くの将官が反逆罪で処刑された。

組織社会に矛盾はつきものだ。完璧な人間はいないから、自分も、上司も、部下も、同僚も、多くのミスを犯す。そして、責任のなすりつけ合いのようなこともあるかもしれない。しかし、組織の上層部が、率先して犯罪行為に走ったり、公益を踏みにじるような行動に走ることは稀だろう。当時の良識あるドイツ軍将校の悩みが、いかに深かったかを測り知ることは難しい…。

人気ブログランキングへ

戦場のピアニスト   The Pianist

戦場のピアニスト [DVD]
戦場のピアニスト [DVD]

posted with amazlet at 10.12.30
アミューズソフトエンタテインメント (2003-08-22)
売り上げランキング: 5961


ナチスのホロコーストを、ユダヤ人の視点から描いた作品は数多くあるが、この作品は実話をベースにしている点、さらに主人公が音楽家だという点が個性的である。主人公シュピルマンの弾くショパンの旋律が、観終わった後も耳に残る。

最も印象的なのは、やはり最後の方でシュピルマンがドイツ軍将校に見つかり、その場でピアノを弾かされるシーン。将校は黙って静かに演奏を聴くが、その無言の心象表現が抜群に巧い。別れ際のシュピルマンとの会話も印象的だ。

映画は、ドイツ軍、というか、親衛隊の残酷さを鋭く描いている。同時に、ドイツ軍将校がシュピルマンの命を救ったという点も丁寧に描いている。この点は、たぶん原作も同じスタンスなのだろうと思うが、ナチス・ドイツ=悪党、というステレオ・タイプを克服している。

監督のロマン・ポランスキーは、ユダヤ系ポーランド人で、ゲットー暮らしの体験があり、さらに母親をアウシュビッツで亡くしている。そういう意味で、ポランスキーがナチス・ドイツというものを冷静に描いた点は、特に評価されて良いと思う。

人気ブログランキングへ