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ディア・ハンター  The Deer Hunter

ディア・ハンター [DVD]
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ディア・ハンター、鹿の狩人、である。要所要所で鹿狩りのシーンが出てくる。しかし、この映画はとてもメッセージを汲み取りにくい映画である。

有名な映画なので荒筋は省くが、この鹿狩りでの「One shot, One kill」という言葉が、後に出てくるベトナムでのロシアン・ルーレットのシーンと絡んでいるのは分かる。しかし、これは何を意味するのだろうか。

紅一点のメリル・ストリープが美しく可憐。クリストファー・ウォーケンの鬼気迫る演技も秀逸。ジョン・サベージも入院中のときの心身ともに憔悴しきった演技がリアル。ロバート・デニーロ、言うことなし。故ジョン・カザール、ピストルをもてあそんでいてデニーロに怒られてヘコむシーンが○。

あとアクセルという名前で出てくる巨漢の男は、製鉄所で実際に働いていた男性を、撮影現場で話していて気が合ったというだけでリクルートして、出演させてしまったらしい。つまり、素人。しかし信じられないほど、これらの超名優たちに溶け込んでいて、違和感が全くないのはスゴイ。

ベトナム戦争映画として、北ベトナム軍をいたずらに残虐に描いている、米軍の残虐性を描いていないという批判が多い。確かにその通り。北ベトナム軍やサイゴンのその筋の者が、あんなロシアン・ルーレットをやっていたという確証はなく、ただの脚色だという話も聞く。そういう意味では、真面目に見る人にとっては、ミスリーディングなところはある。

しかし、それはさて置いても、マイケル・チミノ監督は、この映画で何を語りたかったのか。いろいろ資料を見ても分からない。ただし、一回見ると、脳裏に焼き付いて忘れられない映画であることは確か。音楽も、しばらく頭の中で鳴り続ける。

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チェ 39歳別れの手紙  Che: Part Two

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チェ・ゲバラのボリビアでの活動を描いた第二編。ゲバラはキューバでの革命をカストロとともに成功に導き、キューバの閣僚として、新生国家の発展に辣腕をふるった。しかしその後まもなく、社会主義革命を世界に伝播するため、ラテンアメリカの最貧国の一つであるボリビアに渡った。

ボリビアでの活動は予想以上に厳しく、当時の親米政権による徹底的な掃討作戦の結果、山にこもったゲバラの一隊は米軍にトレーニングを受けた政府軍によってあぶりだされ、最終的には、ゲバラをはじめとする残党は、政府軍によって処刑される。本作はそこに至る経緯を描いている。

ゲバラのボリビアでの活動については、ゲバラ本人による日記(「チェ・ゲバラ伝」として邦訳もある)に詳しい。このゲバラ日記を読んだときにも感じたが、ゲバラを追い詰めるボリビア政府軍と、背後にいるアメリカの特殊部隊の執念が凄まじい。本作も、その恐ろしいまでの執念深さを克明に描いている。

しかし、ゲバラは処刑の直前、神でなく、人間を信じていると言った。ここにすべての敗因が凝縮されているように感じた。ここで多くは語るまい。しかし、こうした人生観が敗北を招いたといったら酷だろうか・・・。

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ゴッドファーザー パートII  Godfather Part II

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映画のシリーズ物は、続作が初回作を超えることはほとんどないことを日頃から感じている。これは、ロッキー、スターウォーズ、ターミネーター等々の有名どころを考えても、例を挙げればキリがない。

その理由を一言で言うと、初回ならではの衝撃を、同じコンセプトを利用する続作が超えることができないからだと(勝手に)思っている。しかし、このゴッドファーザーについて言うと、パート2は初回作と同等のクオリティを保っていると同時に、初回作と違うオリジナリティを発揮しているように思う。

パート2が大きなインパクトを持っている一つの理由は、若き日のドン・ヴィト・コルレオーネを演じるロバート・デニーロの存在。もともと真っ当に生きていこうとしていた真面目なヴィトだったが、イタリア移民を取り巻く環境はあまりに過酷、不条理だった。そのため、本人の意志と関係なく、マフィアを形成するように押し出されていった状況を、デニーロが極めて抑制的に演じている。

もうひとつの要素は、複雑なストーリーがもたらした映画としての面白さ。初回作は、コルレオーネ・ファミリーの家族・親族の血の結束という一点に、ストーリーの力点が置かれていたが、このパート2は、それに加えて、ファミリーの国際的な事業展開や、ファミリーと政府当局の対決など、ストーリーに奥行きが出るようなプロットがいくつか織り込まれている。

また、さらに言えば、初回作では、マーロン・ブランド演じる初代ドンが強烈な個性を放ち、この映画を一躍有名にしたわけだが、パート2では、アル・パチーノが演じる第2代ドン、マイケルがそれを超える強烈な個性を放っている。兄弟の中で、もっとも物静かで熟考型のマイケルが、有能で冷酷なマフィアのドンに変貌していくプロセスが観る者を惹き込む。

シリーズ全体に一貫して流れているテーマは、人間の心の闇ということか。人間の心は、いったん悪い方へ傾くと、どんどん悪い方向へ転げ落ちていってしまい、なかなかそこから抜け出せなくなる。憎しみが憎しみを生み、復讐が復讐を生み、この悪循環を誰も止めることができなくなってしまう。そういう意味で、このシリーズ作品は、マフィアの実態を描いた映画というよりも、人間の実態の一側面を描いた秀作なのだと思う。

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ゴッドファーザー  Godfather

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いまさら何の説明もいらない名作。何度も観ているが、観るたびにこういう映画は、多分もう出てこないだろうという気がする。ストーリー構成、登場人物、風景と時代背景・・・、ここに描かれている全てが圧倒的な存在感を醸し出している。

一方、映画のテーマは、憎悪と欲望である。たしかに、イタリアン・マフィアを道化として使っているが、その背後にある真のテーマは、憎悪や欲望といった人間の本能から湧き出る激情である。誰でも怒りや憎しみに駆られることはある。しかし、そうした激情に流されていると人生がこんなふうになりますよ、ということを提示しているという見方さえできる。

公開から長い歳月が経っているのに、この作品がこれだけの輝きを放っている理由は、やはりこうした普遍的なテーマを扱っているからだと思う。マフィアの恐ろしさから、誰もが持っている人間の心の闇の部分を垣間見ることができる。「不朽の名作」という言葉が最も似合う作品。

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チェ 28歳の革命  Che: Part One

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エルネスト・チェ・ゲバラに関する映画は数多く制作されており、実に玉石混合である。その中でも、本作は、ソダーバーグ監督、デルトロ主演という手堅い陣容で、期待を持って観た。そして、期待は裏切られなかった・・・。

ゲバラというと、とかく英雄的に祭り上げられがちである。喘息持ちだったという肉体的弱点でさえ、「喘息持ちだったのに、20世紀最大の革命の立役者になった」という具合に、祭り上げるための言い分として利用される始末である。

しかし、本作はそういう底の浅いアプローチを取ることなく、時代考証などもしっかり固め、史実に忠実に、等身大のゲバラを描き出している。そうした良い意味での冷めた距離感に好感を持った。

革命中の様々な戦闘、そこに交錯する人間模様なども、かなり具体的に描き込んでいて、調査に手間をかけているのが分かる。前にも書いたが、こういう手間のかかった映画が好きだ。制作やキャストの自己満足でなく、観る人のことを考えて作っていることが伝わってくる。もう一つの「39歳 別れの手紙」も近いうちにぜひ観てみたい。

しかし、いろいろ調べてみて分かったのだが、キューバ革命というのは、このアルゼンチン人のゲバラだけでなく、カストロ兄弟もスペイン人移民2世で、中心人物はみな「外人」だったということだ。やはり、よそ者の方が物事を大局的、俯瞰的に見ることができるのだろうか・・・。

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