映画のシリーズ物は、続作が初回作を超えることはほとんどないことを日頃から感じている。これは、ロッキー、スターウォーズ、ターミネーター等々の有名どころを考えても、例を挙げればキリがない。
その理由を一言で言うと、初回ならではの衝撃を、同じコンセプトを利用する続作が超えることができないからだと(勝手に)思っている。しかし、このゴッドファーザーについて言うと、パート2は初回作と同等のクオリティを保っていると同時に、初回作と違うオリジナリティを発揮しているように思う。
パート2が大きなインパクトを持っている一つの理由は、若き日のドン・ヴィト・コルレオーネを演じるロバート・デニーロの存在。もともと真っ当に生きていこうとしていた真面目なヴィトだったが、イタリア移民を取り巻く環境はあまりに過酷、不条理だった。そのため、本人の意志と関係なく、マフィアを形成するように押し出されていった状況を、デニーロが極めて抑制的に演じている。
もうひとつの要素は、複雑なストーリーがもたらした映画としての面白さ。初回作は、コルレオーネ・ファミリーの家族・親族の血の結束という一点に、ストーリーの力点が置かれていたが、このパート2は、それに加えて、ファミリーの国際的な事業展開や、ファミリーと政府当局の対決など、ストーリーに奥行きが出るようなプロットがいくつか織り込まれている。
また、さらに言えば、初回作では、マーロン・ブランド演じる初代ドンが強烈な個性を放ち、この映画を一躍有名にしたわけだが、パート2では、アル・パチーノが演じる第2代ドン、マイケルがそれを超える強烈な個性を放っている。兄弟の中で、もっとも物静かで熟考型のマイケルが、有能で冷酷なマフィアのドンに変貌していくプロセスが観る者を惹き込む。
シリーズ全体に一貫して流れているテーマは、人間の心の闇ということか。人間の心は、いったん悪い方へ傾くと、どんどん悪い方向へ転げ落ちていってしまい、なかなかそこから抜け出せなくなる。憎しみが憎しみを生み、復讐が復讐を生み、この悪循環を誰も止めることができなくなってしまう。そういう意味で、このシリーズ作品は、マフィアの実態を描いた映画というよりも、人間の実態の一側面を描いた秀作なのだと思う。