投稿者「ひつじ」のアーカイブ

バンク・ジョブ  The Bank Job

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バンク・ジョブ、銀行の仕事、いや、銀行強盗という意味です。それも、この映画では、ただの銀行強盗ではない、1971年にロンドンで実際に起きた巨額の銀行強盗を描いている。

この銀行強盗事件が注目を浴びた理由は、強奪金額が全英一だったということだけでなく、政府の諜報機関が故意に仕掛けた銀行強盗だったということ。なんで政府機関がチンピラを使って銀行強盗を引き起こしたかというと、その金庫に王室のスキャンダルを押さえた証拠写真が隠されていたからだった・・・。

前半は、腐った英国の裏社会を見せつけられて気分が悪くなるが、後半から力強いストーリー構成で、観る者をグイグイと惹き付ける。英国の役者陣も演技派が多く、飽きさせない。また英語の好きな人にとっては、イギリス英語の勉強にもなるだろう。

実話をモチーフにした映画は、実話ならではの地味さに負けてしまっているケースも多いが、これは実話ならではの迫力を映像化することに成功したケースと言えるだろう。実話ならではのストーリーの奥行きと複雑さを、上手に映像化しているように感じました。

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ゴッドファーザー パートII  Godfather Part II

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映画のシリーズ物は、続作が初回作を超えることはほとんどないことを日頃から感じている。これは、ロッキー、スターウォーズ、ターミネーター等々の有名どころを考えても、例を挙げればキリがない。

その理由を一言で言うと、初回ならではの衝撃を、同じコンセプトを利用する続作が超えることができないからだと(勝手に)思っている。しかし、このゴッドファーザーについて言うと、パート2は初回作と同等のクオリティを保っていると同時に、初回作と違うオリジナリティを発揮しているように思う。

パート2が大きなインパクトを持っている一つの理由は、若き日のドン・ヴィト・コルレオーネを演じるロバート・デニーロの存在。もともと真っ当に生きていこうとしていた真面目なヴィトだったが、イタリア移民を取り巻く環境はあまりに過酷、不条理だった。そのため、本人の意志と関係なく、マフィアを形成するように押し出されていった状況を、デニーロが極めて抑制的に演じている。

もうひとつの要素は、複雑なストーリーがもたらした映画としての面白さ。初回作は、コルレオーネ・ファミリーの家族・親族の血の結束という一点に、ストーリーの力点が置かれていたが、このパート2は、それに加えて、ファミリーの国際的な事業展開や、ファミリーと政府当局の対決など、ストーリーに奥行きが出るようなプロットがいくつか織り込まれている。

また、さらに言えば、初回作では、マーロン・ブランド演じる初代ドンが強烈な個性を放ち、この映画を一躍有名にしたわけだが、パート2では、アル・パチーノが演じる第2代ドン、マイケルがそれを超える強烈な個性を放っている。兄弟の中で、もっとも物静かで熟考型のマイケルが、有能で冷酷なマフィアのドンに変貌していくプロセスが観る者を惹き込む。

シリーズ全体に一貫して流れているテーマは、人間の心の闇ということか。人間の心は、いったん悪い方へ傾くと、どんどん悪い方向へ転げ落ちていってしまい、なかなかそこから抜け出せなくなる。憎しみが憎しみを生み、復讐が復讐を生み、この悪循環を誰も止めることができなくなってしまう。そういう意味で、このシリーズ作品は、マフィアの実態を描いた映画というよりも、人間の実態の一側面を描いた秀作なのだと思う。

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ゴッドファーザー  Godfather

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いまさら何の説明もいらない名作。何度も観ているが、観るたびにこういう映画は、多分もう出てこないだろうという気がする。ストーリー構成、登場人物、風景と時代背景・・・、ここに描かれている全てが圧倒的な存在感を醸し出している。

一方、映画のテーマは、憎悪と欲望である。たしかに、イタリアン・マフィアを道化として使っているが、その背後にある真のテーマは、憎悪や欲望といった人間の本能から湧き出る激情である。誰でも怒りや憎しみに駆られることはある。しかし、そうした激情に流されていると人生がこんなふうになりますよ、ということを提示しているという見方さえできる。

公開から長い歳月が経っているのに、この作品がこれだけの輝きを放っている理由は、やはりこうした普遍的なテーマを扱っているからだと思う。マフィアの恐ろしさから、誰もが持っている人間の心の闇の部分を垣間見ることができる。「不朽の名作」という言葉が最も似合う作品。

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アンダーカヴァー We Own the Night

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時代は1980年代後半のニューヨーク・ブルックリン。街にはロシアン・マフィアが台頭し、ドラッグの市場を拡大しつつあった。 ― マーク・ウォーバーグとホアキン・フェニックスが共同主役で兄弟を演じ、共同でプロデュースにも参加している。

ニューヨーク市警の希望の星、兄ジョーをマーク・ウォーバーグ、彼の捜査対象でもあるロシアン・マフィアの中堅、弟ボビーをホアキン・フェニックス、また二人の父で地域の警察署長をロバート・デュバルが演じている。さらには、ホアキン・フェニックスの彼女がエヴァ・メンデスという豪華な陣容。

弟ボビーは組織の中でやりたい放題やっているが、捜査対象が彼の組織に絞られるにつれ、どんどん追い詰められて、最終的に組織の味方になるか、父と兄のいる警察の味方になるか、究極の選択を迫られる。そして、ついには邦題の通り、アンダーカバー(覆面捜査官)の道を選ぶのだが・・・。

本作を観て改めて感じたことは二つ。一つ目は悪事は引き合わないということ。悪事は、確かに一時的に最高の享楽を与えてくれることもあるのだろう。しかし、この最高の享楽の後に、永遠の地獄が待っている。

二つ目は、家族の結束。家族は一時的に断絶、分裂することもあるが、結局どんな人間関係よりも強く、濃い絆で結ばれている。一時的に関係がおかしくなることもあるかもしれないが、最終的には赦し合い、絆を回復できるということか。

冒頭は軽いノリで始まるが、中盤からどんどん引き込まれる。テーマは、ゴッドファーザーにもちょっと似ているが、悪事は大きな代償を伴うということ、そして家族の絆は永遠ということでしょうか。

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クイーン The Queen

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1997年5月2日、英国でブレア政権が発足した。その約4ヵ月後の8月31日、ダイアナ妃がフランス・パリで事故死し、9月6日には国葬が執り行われた。本作は、この間の特にダイアナ妃死去から国葬に至るまでの1週間にスポットを当て、エリザベス女王をはじめとするロイヤル・ファミリーと、ブレア政権の対応を、ドキュメンタリー・タッチで描いている。

それにしても思わされるのは、ダイアナ妃が国民の間で、ものすごい圧倒的な人気があったということ。本作の中でも、英国中で老若男女の人々が、事故死の報の後、英国中で悲しみに泣き暮れている様子が、当時の実際のフィルムを使って描かれている。

事故死の当時、ダイアナ妃はチャールズ皇太子との離婚が既に成立しており、ロイヤル・ファミリーと法的関係はなかった。だから、エリザベス女王は、ダイアナの死去を一民間人の事故死として扱い、休暇先からも帰らなかったし、追悼声明も出さず、国葬をするつもりもなかった。しかし、この「当たり前の態度」が、英国民の大きな怒りを買い、皇室支持率の急落につながる・・・。

ロイヤル・ファミリーの様子と、ブレア政権の対応が、事実に忠実に、なおかつ人間的な心理描写も交えて細やかに描かれている。エリザベス女王を演じたヘレン・ミレン、ブレア首相を演じたマイケル・シーンも、あまり外見は本人に似てはいないが、表情や物腰の演技で本人に似せている。そこに力強いリアリティが宿っている。

それにしても、なぜダイアナ妃は、なぜここまで人気があったのか。容姿の綺麗な人は、世の中にいくらでもいる。人道事業などを手広くやっている立派な人もいくらでもいる。なぜなのか・・・。二人の子どもはすでに大人になった。長男のウイリアム王子は、もともとダイアナ妃に良く似た顔立ちだったが、最近は少し頭が薄くなってきて(余計なことか・・・)父親にも良く似てきた。時の流れを感じます。

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