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英国王のスピーチ  The King’s Speech

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この映画が出るまで、おそらく多くの人は、この英国王の存在すら知らなかったのではないだろうか。主人公は、現在の英国王エリザベス2世のお父さん、ジョージ6世である。

もともと、このジョージ6世の父親、つまり現在のエリザベス女王から見てお爺さんに当たるジョージ5世には二人の息子がいて、長男が後のエドワード8世、次男が本作主人公のジョージ6世だった。お爺さんのジョージ5世が崩御した後、長男のエドワード8世が王位に就いたのだが、かねてより交際していた人妻シンプソン夫人との交際を断ちきれず、王位を放棄して、この恋人との結婚を優先したことで、王位が次男のジョージ6世に回ってくる。

ジョージ6世は、もともと体質も虚弱、性格も内向的で、生来ひどいドモリ(吃音)だったのだが、王位が回ってきたことで、人前で話をする機会が格段に増える。折からの第二次世界大戦の激化により、ドイツへの宣戦布告に際して、イギリス本土への攻撃激化に備えて国運を左右する決定的なスピーチをしなければならなくなり…。

ドモリの国王、ジョージ6世の演技(コリン・ファース)が素晴らしい。また彼を支える奥さん(のちのエリザベス皇太后、現女王の母親)のサポートも涙を誘う。吃音を治療する専門家のライオネル・ローグも、周囲から様々な誤解を受けつつも、国王を一人の人間として誠実に接する姿に心を打たれる。

ここ一番の重要なスピーチは、とにかく内容が素晴らしい。国王が、このスピーチに際して、どういう心の準備をしたのかということは、人が恐怖に打たれた時、どういう態度を取るべきかということの参考になるかもしれない。

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ブラディ・サンデー  Bloody Sunday

日本の英語の授業では、イギリスは英語で言うとEnglandになると教えているが、これはかなりひどい間違いだ。また、そもそもこの国をイギリスと呼んでいること自体、Englandから来ているので間違った表現だ。そして、こういう国名を安易に扱う習慣が、この映画で描かれたような惨劇を生んだとまで言ったら言い過ぎだろうか・・・。

ご存知の通り、いわゆるイギリスという国の正式名は、グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)という。この名から明らかな通り、この国は複数の国から構成される連合国家で、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド、そしてその海外領土が集まって成り立っている。しかし、ここでいちいちグレート・ブリテンおよび・・・と何度も言うのは大変なので、ここでは便宜上この国を「英国」と呼びたいと思う。

その英国では、歴史上イングランドが、上記周辺国を併合しようと何度も侵略戦争を挑んできた。あるときは周辺国はイングランドに併合され、あるときは独立を獲得するということを繰り返して、今日に至っている。今では、それぞれが国家としての形式を保ちつつ、一緒に集まって連合国家を形成している。

しかし、その過程でアイルランドだけは英国から完全な独立を果たし、さらに北部はそこから再分離して英国の一部に戻った。そのため、北アイルランドでは、あくまで英国の一部であり続けようとする人々と、改めて南北統一を目指す人々の間で紛争が始まった。その後、この紛争に英国中央政府も介入し、各々の二つのグループも分裂して、紛争の構図は非常に複雑になった。

前置きが長くなったが、本作はこうした北アイルランド紛争が激化して頂点に至った「血の日曜日事件(1972年)」を描いている。事件は、北アイルランドのデリーで、南北アイルランドの統一を目指すグループのデモを、英陸軍が制圧する際に起きた。陸軍部隊は、最初は放水やゴム弾でデモ隊に応じていたが、徐々に感情的になり、丸腰のデモ隊に対して実弾を発射して、市民十数名を殺害してしまう。英国政府は、事件直後から責任回避に躍起となった。

監督のポール・グリーングラスは、マット・デイモン主演のボーン・シリーズのうち2作を取った人だが、ここでもカメラを手持ちで廻すことにこだわった。もちろん、カメラはぶれまくるが、これで映像があたかも実写ドキュメンタリーのようなリアルな映像に変わった。そして、デモ隊を潰す英軍部隊には、実際にデモを潰した経験のある英軍の退役軍人を多く使った。こうした細部へのこだわりが、映画のリアリティを増し加えている、本当に目の前で事件が展開しているような錯覚に陥る。

血の日曜日事件の公式調査は、何度かの棚ざらしを経て、今も続いている。そして、その正式な調査結果が今年の秋に出るという。それをきっかけに、また紛争が激化するのだろうか、それとも収束に向かうのだろうか・・・。

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1997年5月2日、英国でブレア政権が発足した。その約4ヵ月後の8月31日、ダイアナ妃がフランス・パリで事故死し、9月6日には国葬が執り行われた。本作は、この間の特にダイアナ妃死去から国葬に至るまでの1週間にスポットを当て、エリザベス女王をはじめとするロイヤル・ファミリーと、ブレア政権の対応を、ドキュメンタリー・タッチで描いている。

それにしても思わされるのは、ダイアナ妃が国民の間で、ものすごい圧倒的な人気があったということ。本作の中でも、英国中で老若男女の人々が、事故死の報の後、英国中で悲しみに泣き暮れている様子が、当時の実際のフィルムを使って描かれている。

事故死の当時、ダイアナ妃はチャールズ皇太子との離婚が既に成立しており、ロイヤル・ファミリーと法的関係はなかった。だから、エリザベス女王は、ダイアナの死去を一民間人の事故死として扱い、休暇先からも帰らなかったし、追悼声明も出さず、国葬をするつもりもなかった。しかし、この「当たり前の態度」が、英国民の大きな怒りを買い、皇室支持率の急落につながる・・・。

ロイヤル・ファミリーの様子と、ブレア政権の対応が、事実に忠実に、なおかつ人間的な心理描写も交えて細やかに描かれている。エリザベス女王を演じたヘレン・ミレン、ブレア首相を演じたマイケル・シーンも、あまり外見は本人に似てはいないが、表情や物腰の演技で本人に似せている。そこに力強いリアリティが宿っている。

それにしても、なぜダイアナ妃は、なぜここまで人気があったのか。容姿の綺麗な人は、世の中にいくらでもいる。人道事業などを手広くやっている立派な人もいくらでもいる。なぜなのか・・・。二人の子どもはすでに大人になった。長男のウイリアム王子は、もともとダイアナ妃に良く似た顔立ちだったが、最近は少し頭が薄くなってきて(余計なことか・・・)父親にも良く似てきた。時の流れを感じます。

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