ジェネオン・ユニバーサル (2012-05-09)
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1973年、チャールズ・ホーマンというアメリカ人の若手ジャーナリストが、南米チリでの滞在を妻や友人とともに楽しんでいた。そこを、突然の軍事クーデターが襲う。チャールズは失踪し、家族と米国政府による慎重な捜索が始まった。結果は、誰もの想像を超えるものだった…。
本作はそんな本当に起きた話を映画化した作品。非常にショックな内容。観た後、背筋の凍るようなイヤ~な感覚がしばらく残る。全身から力が抜けていくような虚しさが残る。しかし同時に観てよかったとも思う。非常に見応えのある完成度の高い作品だ。
自分はバブル時代に学生時代をすごし、当時はいろんな途上国にも遊びに行った。そして、その後も仕事で途上国へ行くこともあり、それなりに危ないこともあった。しかし、今となっては楽しい思い出ばかりであり、今の若い人の中にも、好んで途上国や紛争国へ行く人がいるが、そういう人たちの気持ちもよく分かる。
しかし、ああいうところに行くには、一定のリスクが伴う。近年でも、イラクやアフガニスタンで、バックパッカーやNGO職員の若者が犠牲になったが、ああいうことは決して特別なことではない。ああいうことは、絶対に起きてはいけないことだが、途上国や途上国では、残念ながらいつでも起きる可能性があることでもある。
この映画は、そういう途上国、紛争国の一面を、静かな恐怖とともに伝えている。特に、最後の方で米国大使館の駐在武官が、チャールズの父に語る例えはとても教訓に満ちている(どういう内容かは、ぜい映画を観てください)。― 途上国、紛争国へ行くな、ということではない。しかし、そういう場所がどういうところかを、事前に了承した上で行く必要があるということだろう。
父親を演じるジャック・レモンが涙を誘う。主人公の妻役のシシー・スペイセックも切ない。ヴァンゲリスの音楽も、とてつもなく悲しい。 ― 悲しく、恐ろしく、そして重い映画である。そして、隠れた名作だと思う(※全く同名の映画がありますが、こちらはジャック・レモン出演、コスタ・ガブラス監督の作品です)。
