戦争」タグアーカイブ

ジャーヘッド   Jarhead

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戦争映画というより、戦争に一兵士として参加したアメリカ人青年の個人体験記という風合い。

主人公が経験した戦争は湾岸戦争。湾岸戦争というと、ついこの間の戦争のような気がするが、もう18年前になる。つまり、いま高校を出て就職したり、大学に入っている子(?)たちが生まれた年の戦争である。もうかなり昔の話である。

さて本作であるが、主人公の個人的物語だけあって、派手な戦闘シーンはあまりない。しかし、これが戦争の現実というものなのだろう。冒頭の訓練の様子も、フルメタルジャケットのようなハチャメチャ振りはない。たぶん、実際もこんな感じなのであろう。派手さはないが、その分、兵士たちの心理描写、背景説明などに気を遣っている。

ジャーヘッドとは、アメリカ海兵隊の俗称。アメリカの海兵隊は、世界のどこかで戦争が起きれば真っ先に投入される陸海両用の「殴りこみ部隊」として名高い。そういう意味で、海兵隊はアメリカ社会では独特の尊敬の対象でもある。そんな背景も合わせて本作を見ると、また違った見方もできるかも知れない。

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父親たちの星条旗   Flags of Our Fathers  

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硫黄島の戦いで、米兵数名が擂鉢山(すりばちやま)の頂上に星条旗を打ち立てた瞬間を捉えた写真、またそれを描写したモニュメントはあまりに有名である。本作は、その星条旗を立てた数名のうち3名の凱旋後の人生を描いている。

3名の兵士は、この一瞬の行為によって、全米で英雄に祭りあげられる。戦費調達のための戦時国債の営業に駆り出され、アメリカで彼らを知らない人はいないというところにまで有名になり、とことん美化される。しかし、そんな戦争がもたらす熱狂もあっという間に去り、今度は普通の生活に戻るよう、3人の環境はめまぐるしく変わる。

こういう周囲の取り扱いの激変を、ある者は冷静に捉えて順応し、ある者はそれで精神に変調を来たす。そんな3人それぞれの心理描写が秀逸。イーストウッドの細やかな演出に、再び脱帽。戦争の地獄と、人生の厳しさを描いた名作です。

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硫黄島からの手紙   Letters from Iwo Jima

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「硫黄島からの手紙」と「父親たちの星条旗」は、第二次世界大戦の太平洋戦線における硫黄島の戦いを、それぞれ日本の視点、アメリカの視点から描いた作品。今回、両作を1日1作ずつ2日かけて観たが、今日は「手紙」について、次回は「星条旗」についてコメントしたい。

本作(硫黄島からの手紙)の特徴は、極めてアメリカ的なアメリカ人(?)とも言えるクリント・イーストウッドが監督として、日本人の俳優を使い、日本語のセリフを語らせ、さらに日本の組織、日本の社会、日本の家族を綿密に描いておきながら、何の違和感も感じさせず、作品のメッセージを上手に観客に伝えているところ。

ある意味、純日本映画だと言われて観たとしても、そう信じてしまいそうな自然な感じがある一方で、多くの日本映画に必然的に染み付いている悪い意味でのウェット感が全くない。その意味で、重いテーマを扱っているが、観た後で考えさせられることはあっても、気分が悪くならない。

いろいろ制作の裏話を調べてみると、当初イーストウッドは、「星条旗」は自分が担当し、「手紙」は日本人の監督に任せるつもりだったようだ。しかし、いろいろ調査を進めるうち、日本兵もアメリカ兵も同じ人間であることを痛感するようになり、「手紙」も自分が監督する決意を固めたという。

そういうイーストウッドの落ち着いた思慮や、地道な調査が、作品の自然さ、適度に抑制された演出に滲み出ている。苛烈な日本の軍隊社会を描きながら、抑制された自然なトーンのセリフ回しが多く、その点も作品としての迫力とリアリティを増し加えている。

また、実際の硫黄島の戦いは、類を見ないほど陰惨を極めたと伝えられているが、だからと言っていたずらに残虐シーンを織り込むことをせず、そのへんも、極めて大人の演出といった感じ。一言で言うと、イーストウッドの演出に脱帽、といったところ。

あと、出演者について言うと、やはり多くの人が指摘するとおり、二宮君の演技が素晴らしい。渡辺謙は期待値が高い分だけ損だが、人格者と言われた栗林中将の人となりを感じさせる落ち着いた演技が印象に残った。

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ブラッド・ダイアモンド   Blood Diamond

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紛争ダイヤモンドについては、日本のドキュメンタリー番組でも報道されることがあるので、この問題を知っている人も多いだろう。身近な女性の身に付けているダイアモンドが、もしかしたらアフリカの人々の血の代償の結果かもしれない、またそうでない保証はどこにもないという事実を、改めて認識させられる作品。

ハリウッド作品で、代表的なハリウッドの役者が出演している作品だが、アフリカ独特のにおいというか、雰囲気がよく出ている。ディカプリオなど、傭兵関係者のしゃべる英語のアクセントも、いかにもアフリカの白人といった感じ。さらにラストに近づくに従って、ディカプリオ演じるアーチャーが、本当にアフリカの白人のように見えてくる演出、演技も印象的でした。

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ラスト・キング・オブ・スコットランド   Last King of Scotland

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先進国の若者が、開発途上国や紛争国に仕事で行くと、とんでもない大きな権限を与えられて、スケールの大きい仕事を任されることがある。

その理由の一つは、先進国の人間の方が、より優れた教育や職業訓練の機会に恵まれているために、より有用な人材として社会的に機能できる場合が多いから。また、安逸な生活に慣れた先進国の人間が、リスクを冒してまで途上国・紛争国に行くことは少ないので、その人材としての相対的価値が現地で一層高まるからである。

本作では、スコットランドの平凡な若医者が、冒険心からアフリカ中部のウガンダに行き、ひょんなことから当時の大統領イディ・アミンの主治医になったことから、ストーリーが展開していく。そんなことが本当にあるのかと思うが、やはり実際に十分ありうることだと思う。

その後、若医者は思慮なく放蕩したり、半ば調子の乗って現地の生活をエンジョイするのだが、次第にアミンの残虐性、異常性に触れるようになり、そこから逃げようとする。しかし、若医者は執拗なアミンから逃げることはできない。放蕩の代償を払ったり、いろいろあってストーリーはクライマックスに至る。

アミン役のフォレスト・ウィテカーの演技が光る。とてもアメリカ人には見えない。また、首都カンパラにうごめく先進国のわけの分からない人間関係もリアル。 

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