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クリップス  Redemption: The Stan Tookie Williams Story

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ロサンゼルスで暗躍するギャングの中でも最大のグループ、クリップスを創設したスタン・トゥッキー・ウィリアムズの半生を描いた作品。ジェイミー・フォックスの好演が光る。

貧困と暴力の渦巻く60年代のロスのダウンタウンで、自衛を目的に創設された一種の青年自警団が、クリップスの始まりだった。しかし、組織は徐々に自衛の枠を超え、マフィアにも似た犯罪集団へと変質していく。そうした中、スタン・ウィリアムズも、立件されているだけで4名の殺人事件に加担し、この最強ギャング団の象徴的存在となっていく。

その後、警察の執拗な捜査でウィリアムズは逮捕され、ついには死刑判決を受ける。しかし、彼は長い刑務所生活の中で回心し、あるジャーナリストとの出会いを通じて、青少年向けの本を執筆することになった。ギャングでの生活を通じて、暴力や犯罪がいかに人生を破壊するか警告し、子どもたちが自分と同じ道を歩まないよう切々と訴える内容だった。結果的に、この本は世界中でベストセラーになり、さらには獄中にいながら、ノーベル平和賞、文学賞の候補としても名前が挙がるようになる。

本作は2004年の制作で、ウィリアムズがまだ獄中にいることをエンド・クレジットで説明している。しかし、翌2005年、彼はカリフォルニア州の刑務所で、嘆願などのあらゆる法的な方策も尽き、死刑を執行された。

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トレーニング・デイ  Training Day

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麻薬捜査課に配属された新人ジェイク(イーサン・ホーク)は、着任初日、ベテラン捜査官アロンゾ(デンゼル・ワシントン)に付いて、ロサンゼルスのダウンタウンの現場を回った。そこでは、想像を絶する実地訓練ともいえる「トレーニング」が待っていた。

現実は、映画やテレビで見るのと違う。世の中は複雑だ。理屈どおりには行かない。だから、本作で描かれているようなこともあるように思えてくる。たしかに誇張もあるし、極端なケースを取り扱っているが、ある意味で世の中の本質を描いている。

デンゼル・ワシントンは善人を演じることが多いが、ここでは悪玉を実に上手く演じている。ロケは、本物のギャングの支配下にある地域で行ったそうだ。たしかに、静かな不気味さが漂っている。真の「トレーニング」を受ける場として、文句なしか・・・。

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バンク・ジョブ  The Bank Job

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バンク・ジョブ、銀行の仕事、いや、銀行強盗という意味です。それも、この映画では、ただの銀行強盗ではない、1971年にロンドンで実際に起きた巨額の銀行強盗を描いている。

この銀行強盗事件が注目を浴びた理由は、強奪金額が全英一だったということだけでなく、政府の諜報機関が故意に仕掛けた銀行強盗だったということ。なんで政府機関がチンピラを使って銀行強盗を引き起こしたかというと、その金庫に王室のスキャンダルを押さえた証拠写真が隠されていたからだった・・・。

前半は、腐った英国の裏社会を見せつけられて気分が悪くなるが、後半から力強いストーリー構成で、観る者をグイグイと惹き付ける。英国の役者陣も演技派が多く、飽きさせない。また英語の好きな人にとっては、イギリス英語の勉強にもなるだろう。

実話をモチーフにした映画は、実話ならではの地味さに負けてしまっているケースも多いが、これは実話ならではの迫力を映像化することに成功したケースと言えるだろう。実話ならではのストーリーの奥行きと複雑さを、上手に映像化しているように感じました。

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アンダーカヴァー We Own the Night

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時代は1980年代後半のニューヨーク・ブルックリン。街にはロシアン・マフィアが台頭し、ドラッグの市場を拡大しつつあった。 ― マーク・ウォーバーグとホアキン・フェニックスが共同主役で兄弟を演じ、共同でプロデュースにも参加している。

ニューヨーク市警の希望の星、兄ジョーをマーク・ウォーバーグ、彼の捜査対象でもあるロシアン・マフィアの中堅、弟ボビーをホアキン・フェニックス、また二人の父で地域の警察署長をロバート・デュバルが演じている。さらには、ホアキン・フェニックスの彼女がエヴァ・メンデスという豪華な陣容。

弟ボビーは組織の中でやりたい放題やっているが、捜査対象が彼の組織に絞られるにつれ、どんどん追い詰められて、最終的に組織の味方になるか、父と兄のいる警察の味方になるか、究極の選択を迫られる。そして、ついには邦題の通り、アンダーカバー(覆面捜査官)の道を選ぶのだが・・・。

本作を観て改めて感じたことは二つ。一つ目は悪事は引き合わないということ。悪事は、確かに一時的に最高の享楽を与えてくれることもあるのだろう。しかし、この最高の享楽の後に、永遠の地獄が待っている。

二つ目は、家族の結束。家族は一時的に断絶、分裂することもあるが、結局どんな人間関係よりも強く、濃い絆で結ばれている。一時的に関係がおかしくなることもあるかもしれないが、最終的には赦し合い、絆を回復できるということか。

冒頭は軽いノリで始まるが、中盤からどんどん引き込まれる。テーマは、ゴッドファーザーにもちょっと似ているが、悪事は大きな代償を伴うということ、そして家族の絆は永遠ということでしょうか。

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ロック・ストック・アンド・トゥー・スモーキング・バレルズ        Lock Stock and Two Smoking Barrels

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長いタイトルだ。もともと英語には、lock, stock and barrelという成句がありまして(全部、すっかり等の意味)、さらにこの成句の各単語は、もともとライフルの銃身、銃床など、ライフルの各部分を指す言葉でもあります。

そして最後まで見ると、このタイトルとストーリーの中身がぴったりマッチしていることが分かり、なんとオシャレなタイトルなのかと感動するのであります。ま、そんな説明はここまでにして…。

イギリス版「パルプ・フィクション」といった感じ。いや、パルプ・フィクションよりも構成が凝っている。こういう制作側の「努力」が伺える作品が好きだ。低予算と聞いたが、頑張ればここまで面白い映画が作れるという手本でもある。話の筋書きだけでなく、カメラワーク、編集、音楽も秀逸。

本作のもう一つの楽しみは、コックニーを楽しめるというもの。本作では、英語をしゃべっているのに、英語の字幕が出る箇所がある。それだけ、イギリス人でも分からない表現、発音なのだということなのだろう。

監督のガイ・リッチーは、マドンナの元旦那さん。最近はどうも仕事も不調らしいが、ぜひまた面白い作品を撮ってほしいものです。

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