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サルバドル-遥かなる日々-  Salvador

サルバドル-遥かなる日々-〈特別編〉 [DVD]
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント (2002-03-22)
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すごく昔に見て、印象に残った個性の強い作品。今回、DVDで見て、改めて良い作品だという思いを新たにした。途上国、紛争国の真実の一面を描いているという意味では、このブログでも少し前に取り上げた「ミッシング」と相通じるものがある。

1980年代のエルサルバドルの実情を、ジャーナリストの視点から描いている。凄惨な事件がいくつか取り上げられているが、これらは全て実際に起きた事件。現在、アメリカはイラクとアフガニスタンに足をとられて右往左往しているが、当時のエルサルバドルは、アメリカにとってちょうどそんな頭痛の種だった。

映画には、実情を大袈裟に描いた娯楽作品と、実情が悲惨すぎて、そのまま伝えられない作品がある。本作は後者の典型。現実は、こんなものではなかったことが史実から分かる。

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チェ 39歳別れの手紙  Che: Part Two

チェ ダブルパック (「28歳の革命」&「39歳別れの手紙」) [DVD]
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チェ・ゲバラのボリビアでの活動を描いた第二編。ゲバラはキューバでの革命をカストロとともに成功に導き、キューバの閣僚として、新生国家の発展に辣腕をふるった。しかしその後まもなく、社会主義革命を世界に伝播するため、ラテンアメリカの最貧国の一つであるボリビアに渡った。

ボリビアでの活動は予想以上に厳しく、当時の親米政権による徹底的な掃討作戦の結果、山にこもったゲバラの一隊は米軍にトレーニングを受けた政府軍によってあぶりだされ、最終的には、ゲバラをはじめとする残党は、政府軍によって処刑される。本作はそこに至る経緯を描いている。

ゲバラのボリビアでの活動については、ゲバラ本人による日記(「チェ・ゲバラ伝」として邦訳もある)に詳しい。このゲバラ日記を読んだときにも感じたが、ゲバラを追い詰めるボリビア政府軍と、背後にいるアメリカの特殊部隊の執念が凄まじい。本作も、その恐ろしいまでの執念深さを克明に描いている。

しかし、ゲバラは処刑の直前、神でなく、人間を信じていると言った。ここにすべての敗因が凝縮されているように感じた。ここで多くは語るまい。しかし、こうした人生観が敗北を招いたといったら酷だろうか・・・。

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チェ 28歳の革命  Che: Part One

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エルネスト・チェ・ゲバラに関する映画は数多く制作されており、実に玉石混合である。その中でも、本作は、ソダーバーグ監督、デルトロ主演という手堅い陣容で、期待を持って観た。そして、期待は裏切られなかった・・・。

ゲバラというと、とかく英雄的に祭り上げられがちである。喘息持ちだったという肉体的弱点でさえ、「喘息持ちだったのに、20世紀最大の革命の立役者になった」という具合に、祭り上げるための言い分として利用される始末である。

しかし、本作はそういう底の浅いアプローチを取ることなく、時代考証などもしっかり固め、史実に忠実に、等身大のゲバラを描き出している。そうした良い意味での冷めた距離感に好感を持った。

革命中の様々な戦闘、そこに交錯する人間模様なども、かなり具体的に描き込んでいて、調査に手間をかけているのが分かる。前にも書いたが、こういう手間のかかった映画が好きだ。制作やキャストの自己満足でなく、観る人のことを考えて作っていることが伝わってくる。もう一つの「39歳 別れの手紙」も近いうちにぜひ観てみたい。

しかし、いろいろ調べてみて分かったのだが、キューバ革命というのは、このアルゼンチン人のゲバラだけでなく、カストロ兄弟もスペイン人移民2世で、中心人物はみな「外人」だったということだ。やはり、よそ者の方が物事を大局的、俯瞰的に見ることができるのだろうか・・・。

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