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困った邦題だ。アビエイターではなくて、エビエイターである。アメリカ人の前で、アビエイター、と100回言っても100%通じない。また、この単語を習う中高生も、この単語を「エビエイター」と覚えるはずだ。
なんでこの問題にこだわるかというと、本作をレンタル屋や探したり、アマゾンで検索するとき、直感的に「エビエイター」で探しても、絶対に見つけられないからです。そういう意味で、この邦題は興行的に損なタイトルだ。ま、この問題はこのへんで。
さて本作は、世界最大級の億万長者にして航空王として名をとどろかせたハワード・ヒューズの半生を描いた作品。いつもどおり、ディカプリオの演技は素晴らしい。とくに本作では、ヒューズがだんだん精神を病んでいく様子を、鬼気迫る演技で演じている。
ケイト・ブランシェットもキャサリーン・ヘップバーンの役で出ており、こちらも良い。とくに、二人がヘップバーンの実家に行って家族全員でランチを食べているときに、会話が微妙に食い違い、場の雰囲気が徐々に壊れていく様子の演技は、出演者全員に二重丸という感じ。
本作で特に興味をそそられたのは、やはりヒューズの精神状態というか、心の病の問題。なぜ彼が心を病んだのかは、あまりよく知らない。でも、映画を観る限り、彼が莫大な遺産を相続し、なんの苦労もせずに大金を手にしてしまったことで、人とうまくやっていくための社会性を身に付ける機会を失ってしまったことが、心を病んだ原因の一つではないかという印象をうける。
事業の才覚や飛行機設計の才能は、人並み外れたものがあったようだ。そして資金もあったから、そういう意味では大成功した。しかし映画でも描かれている通り、晩年は大変不幸だったようだ。一人の人間の人格の深みを描いているという点で、本作を大変興味深く観ました。
