ウォール・ストリート  Wall Street: Money Never Sleeps

ウォール・ストリート [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2012-12-19)
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前作「ウォール街」は1987年の制作で、いわゆる株式大暴落のブラックマンデーの直前のバブル期に公開された。そういう意味で、前作はバブルの光と闇を単刀直入に描いていた。しかし本作は、リーマン・ショック後の2010年の制作で、金融市場の無情と、そこに横たわる人間心理の複雑な様相をストーリーの下地に織り込んでいる。

本作は前作のストーリーからお話を引き継いでいて、ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)が、インサイダー取引と証券詐欺罪で8年の懲役の後出所したところから始まる。

疎遠になっていた娘ウィニーとの関係修復にとりかかるゲッコーだったが、ウィニーは強欲な犯罪者の父親を毛嫌いしていた。そんな中、ゲッコーはウィニーの婚約者でウォール街で一旗揚げようとしている野心家の青年ジェイコブ(シャイア・ラブーフ)と出会う。娘との和解、ジェイコブとの親交と通して、自分の仕事とプライベートがジェイコブとウィニーによって影響されることに若干の心理的抵抗を覚えたゲッコーだったが…。

子どもというのは、泣き所だ。自分がどれほど堅固な価値観を持っていても、子どもの運命が翻弄されたら、自分も翻弄されずにはいられない。ゲッコーも、無敵の価値観で金融市場で勝ち続けてきたが、子どもの問題となると、どうもペースが狂ってしまう。

前作では、市場経済の世界で無感情に利益を摘み取る金融サイボーグのようなゲッコーだが、本作では血の通った人間であることが、赤裸々に描かれている。この点が、前作と一線を画すポイントでもある。金融サイボーグのゲッコーの人間的側面が垣間見える骨太の良作といえるだろう。

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