日別アーカイブ: 2009年10月1日

再見~ツァイツェン、また逢う日まで   我的兄弟姐妹

再見 また逢う日まで デラックス版 [DVD]
ジェネオン エンタテインメント (2004-09-24)
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日本映画をはじめ、アジアの映画はほとんど見ない。流行りの韓流なども全く興味がない。しかし、噂を聞いて、この中国映画を観てみた。

30代なかばくらいから、恥ずかしい話だが、とても涙もろくなった。テレビドラマを始め、生前あまりよく知らなかった人の葬儀などに出ても、なぜか涙が止まらなくなることが多い。そして、この映画は、始まった途端に涙が出てきて、最後まで涙が止まらなかった。とても、切なく、悲しく、感動的な作品である。

中国東北部の貧しい寒村で、4人のわんぱく兄弟姉妹が、優しい両親の下ですくすくと育っている。やがて一家を不慮の事故が襲い、みなバラバラになってしまう。しかし、20年近くの年月が経ち、兄弟姉妹は互いの行方を探り合い、ついに・・・。 ― 本作は、そんな中国の片隅で、けなげに生きる家族の姿を、素朴に誠実に描いている。テーマは、家族の絆ということか。

演出はそれほど緻密ではない。役者の演技もまあまあ。しかし、これだけ心に衝撃を受けるのは、スタッフやキャストの意気込みなのかもしれない。子供時代の兄弟姉妹を演じる子役たちも、とてもかわいらしく、見ているだけで泣けてくる。

おりしも、中華人民共和国は建国60周年を迎えた。この国の体制が、国民に与えてきた重圧と負担は、この映画でもサラッと描かれている。最近とみに経済発展の著しい中国だが、やはり一党独裁体制というのは、個人の思想を統制し、個人の能力を制限する体制だから、今後の経済発展も頭打ちになる可能性が高い。

しかし、それにも関わらず、中国のふつうの一般市民の人々は、今後もたくましく生きていくのかもしれない。本作は、そんな普通の人が持っている普通の思い、情けというものを、普通に描いている。しかし、なぜか強い衝撃を受け、心が洗われた。数年前に日本でも劇場公開されたらしいが、とても良い作品に出会いました。

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